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​料理はSTEAMそのもの

子供の料理教室
野菜畑の子供たち

食育とは「食に関する正しい知識と食習慣を身につけること。知育・徳育・体育の基礎となるもの」と言われています。特に知育はSTEAM教育と密接な関係にあると考えています。創造性を養うアート的要素はもちろん、数学的、科学的要素も含まれています。

触ったり、食べた時の五感(触覚(食覚)・味覚・嗅覚・視覚・聴覚)から様々な感覚を感じ取り、更に味覚の中にある、食材を味わった時の五感(塩味・甘味・うま味・酸味・苦味)を知ることで気づきが生まれ。そこで感じた感覚や疑問、気づきには答えがなく、一人一人が感じる感性であり正解/不正解がありません。その感じたことを共有することにより、自己理解から他者理解に繋がり、協調性を学んでいくことができます。

 

幅広い視野で学べる事はSTEAM教育での利点の一つでありますが、私の考える食育は、答えはなく、「料理はアート!お皿はキャンバス!」と捉え、食べることの大切さだけではなく、先ずは食に対して興味を持ってもらうことから始めます。絵を描くように、彩を考え、盛り付けをしていきます。どんなお皿を創りたいのか、イメージを膨らませることで知育が養われ、実際に自分が考え、盛り付けた料理を食べることで食の楽しさも体感できます。苦手な食べ物も、彩の一部と思えば少しは興味を持てるかもしれません。

例えばハンバーグ。皆さんはどの様な盛り付けをイメージしますか?ハンバーグにデミグラスソースがかかっていて、茹でたブロッコリー、ミニトマト、ナポリタンや人参のグラッセ…など一人一人違うと思います。そのイメージ、盛り付けはどれも正解であり、こうでなきゃいけない!はありません。お皿をキャンバス、食材は彩である絵の具と考えて、ミニトマトは切ってみようかな。ブロッコリーじゃなくてパセリを刻んで散らそうか。ソースはどうかけてみよう。あと何色の食材が入るとおいしそうにみえるかな?そう考えていくことで創造力が生まれます。

子供の年齢によって手法は変わっていきますが、毎日欠かせない【食べること】から創造性を引き出していくには、まず食材や料理に興味を持たせることから始まります。「料理はアート!お皿はキャンバス!」の考えで、調理が終わった料理を子供と一緒に盛り付けをしてみましょう。どう盛り付けても良い、としつつも好きな物だけに偏らないようにバランスはアドバイスをします。これを続けることで、色彩感覚やバランス感覚も学べるのではないかと思います。

また、計量や、等分に分けるといった作業からは数学的要素を身につけ、捏ねる作業や加熱をすることで食材や調味料の形が変化する過程からは、科学的要素を学ぶこともできます。実際に料理に関わる事で、食材や調理過程から五感を使って体感し食べることの大切さはもちろんのこと、楽しさや疑問、発見を通して様々な観点から興味を引き出せるのです。小さい頃からの食生活に、楽しさと学びがある食育を取り入れることでより豊かな創造力を養うことができると考えます。

​山田 優

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